先日、奈良の吉野に住む友人が運営する、シェアハブ「まほランド」のこけら落としイベントに参加してきました。
今回は「ラウカパラ」という、ハワイのテキスタイル技法を使ったワークショップです。
初めて聞いた未知なる技法と、ずっと行ってみたかった場所。
ちょっと遠いけど行ってみよう!
木の国、吉野へ
遠いので前日から乗り込むことに。
娘を連れて3時間の電車の旅の果て、なんだかすごいとこについたぞ!
紀伊山地らしい、山の奥深い感じがなんとなく漂う。
迎えてくれたオーナーのゆみさん。
ゆみさんは「木」に縁が深い方で、まほランドも元製材所の跡地。周りも製材所が軒並み並んでいる。昔はもっと沢山あったそう。
まほランドは吉野杉がふんだんに使ってある贅沢な空間でした。
そして今回の講師の井口さんことチャックさんと、鳥取でアトリエ&カフェオーナーで葛を績んで織っている容子さんも準備を手伝っていました。
衣服は大薬
この少し前に、私の友人からこんな言葉をプレゼントされました。
私はこの言葉を聞いた時にとても感動とショックを受けました。
衣食住の中で「衣」は、正直なくても生きてはいけるかなーくらいに思ってましたが、食と並んでとても重要な役割を果たしているんだと認識が変わりました。
そしてそれを知らなかった自分にショックでした。
繊維を勉強してきたつもりだったけど、なぜ私はこんな大事な言葉を知らなかったんだろう・・・
皮膚は最大の臓器
ぼんやりそんな事を考えている時期にちょうどこのお三方に会いました。
3人が話している内容はこういう物ごとの真髄だったり歴史だったり、周りに付随する様々な知識がふんだんにちりばめられていて、とても興味を持ちました。
もちろん大薬の話は皆知っていましたし、
「昔から赤ちゃんの衣服に使われる染料は決まっていた」とか、
「皮膚は最大の臓器だからね~」と、それにまつわる話も色々教えてくれました。
なるほどと肯きながらも、どんどん心が重くなるというか、深いところがむずむずしてきました。
私にはそういうものが足りない!というかそういう事がもっと知りたい!と思いました。
ビジネスとしてのものづくりに携わってきたけれど、ここに全く違う世界がある事にやっと気づけた感じでした。
ラウカパラワークショップ
翌日のラウカパラのWSも私はずっとそこにいるけど、意識は遠くからそこを見ている感じでした。
ラウカパラは植物の茎などを切り、その切り口に顔料をつけて、スタンプの様に布に様々な文様を描いていく、という技法で、やっている事はシンプル。
だけど、それを取り巻く作法、手順などはきちんと決められていて、植物に込められた意味などもきちんと知って初めて正式な「ラウカパラ」となるという事を教えてくれました。
日本の家紋の様に家族を表す意味もあり、ハワイの人々にとっての着物と同じ様なものなのだろうかとも思いました。
いつも適当にそこらへんにあるものを採っては染めていた草木染も、きちんと効能や意味を知ってから染める、そういう事を一度やってみたいです。
きっともっともっと面白くなると思う。
楽しいを生地に
チャックさんのWSで「これをやる時は楽しい気持ちでやってね、怒っているとそれがそのまま生地に残って見る度思い出すでしょ」という様な事を言っていました。
私もこれは本当によく思います。
いつもモヤモヤしている時に編物をしているとその気持ちまで一緒に編み込んでしまってなんだか余計嫌だなぁと思います。
「家に帰ってからも是非またやってね」
とチャックさんが道具を一式お土産に持たせてくれたけれど、いつも多忙でバタバタして全然落ち着いて出来る時がなかった。
早くやりたかったけど、こんな気持ちでやっちゃだめだと思って、時間がある時を待ちました。
そしてやっとほかほかご飯を生地にのせることが出来ました。
いつもご飯を食べる時にこれを見てとてもいい気持ちになれます。
楽しいを生地にのせる、素敵で簡単な技法を習得しましたよ~
【関連サイトの紹介】
≫まほらんど【開催報告】10/9ハワイの伝統工芸ラウカパラ体験とハワイ文化のお話in吉野
井口貴子さんfacebook
中村容子さん(Atelier虹の手)facebook
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中国最古の書物の「書経」より
「草根木皮、これ小薬なり。
鍼灸、これ中薬なり。
飲食衣服、これ大薬なり。
身を修め心を治める、これ薬源なり」
草の根や木の皮は、漢方薬のこと。
鍼や灸は治療の方法。
そして、漢方薬や治療よりももっと効くのが、
飲み物、食べ物と衣服。
薬を飲むことを『服用する』
飲んで効くのが『内服』薬
身につけて効くのが『外服」薬
衣服は、
布に染められた草木の薬効を皮膚を通して吸収させ、病を癒すものだったのです。
大薬ですから病気だけでなく、
さまざまなものから守ってくれるという
位置にあったのでしょう。