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ベンガラ染 色落ちしない天然顔料

虹染めを化学染料を使わずに簡単に出来ないかなぁとぼんやり考えていた時に、友人からベンガラ染の事を聞きました。

ベンガラってベンガラ格子とか建物に使われる赤い染料のイメージでしたが、最近では繊維にも使われるようになってきている様です。

ベンガラ染とは

ベンガラ染は土の中に含まれる成分を使って作った顔料です。
泥染めも土の中に含まれる鉄分を利用していますが、それと似ているのでしょうか。

難しい化学式の事は分かりませんが、とにかく土が原料です。

染料と顔料

そして染料ではなく顔料であるということ。

染料というのは分子レベルで繊維と化学結合されるということです。

顔料はペンキやクレヨンと同じ、繊維に塗料を塗るという事です。

このTシャツの絵の部分は顔料です。

上にのってるだけなので、裏側にはでてません。

地の水色は染料で染めてあります。

ここでネックになるのが、顔料は固くなるということです。

もしこのプリントがTシャツ全面にされていたら着心地悪いですよね、ごわごわするし、通気性も悪い。

だから、繊維素材の色はベースは染料で染めています。

顔料を使うプリントなどはあくまで部分的に、というのが基本でした。

草木染めの弱点を完全にカバー

ところが、このベンガラ染めは顔料だけど固くなりません。

染料の様に使える顔料が登場した、これは繊維業界にとってもすごい活気的な事なのでは?!

しかも耐光堅牢度も強いし、洗っても色落ちしない。

染める為に長時間ぐつぐつ煮込む時間も、燃料も要らない。

草木染めの弱点を思いっきりカバーできる!!最強じゃないか!

顔料深掘りトーク

とりあえず染色の事はなんでも私の染色の先生であり、後輩でもあり、元シェアハウス仲間の後輩先生AKちゃんに聞くことにしている。

聞くと速攻で調べてポンポン回答してくれるすごい後輩ちゃんなのだ・・

やまんば

ベンガラ染めって知ってる?
これなら簡単に天然染料で虹染めできるじゃん!?って思ったんだけど、この考え方あってる?
火とか使わずすごく簡単に染めれるらしい。
ここのベンガラ染なんだけど
古色の美

AKちゃん

べんがら染め調べてみました!
やまんばさんが教えてくれたところは定着剤(天然ゴムラテックス)が入ってるのが気になって、他はどうか見てたら、下染めも定着剤もなしでやってるっぽいところがあったので、よかったら見てみてください

麻福(「ベンガラ」の過去と未来・・・その機能性について)

あと、読んだら「ほうほう」ってなりそうなやつも送りますね🍀

tamaki niime(泥で染める)
岩瀬商店(顔料による染色)

やまんば

ありがとう!色々よく分かった~
でもカチオン化っていうのがいまいちどうなっているのか想像ができなかった

AKちゃん

カチオン化は、綿の草木染の豆汁処理と同じ感じかな?と思いました。
染料と違って、繊維にくっついた後に化学結合しないけども、くっつく量自体を増やす意味合い。的な?
顔料の浸染は情報が少なそうな感じしますね🍀

そっか、顔料のしんせんって新しい技術って事なんだね?

AKちゃん

たぶん新しいわけではなくて、浸染なら染料を使う方が一般的というか。顔料はやっぱり糊を混ぜてプリントに使う方が主流かなぁと思いました。
あえて顔料を使う場合も、こないだ見つけたの送りますね🍀大垣の方は浸染っぽい?「メニュー」から「顔料染め」のページです!
ユニフォームの方はプリントっぽいですけど、参考までに

大垣化繊(ベンガラ染)
ユニフォームタウン(ピグメント加工とは)

やまんば

ピグメントダイっていうのも初めて聞いた。
なんとなくだけど、染料より顔料で染めるほうが簡単にコストも低くできる、でも濃く染めるなら糊は入る。って感じなのが分かった。
ピグメントダイは顔料の剥がれるっていうマイナスの性質を逆に利用した加工法って感じなのかな?

AKちゃん

私もピグメント加工はそういうことだと思います。工業的にやるならダメージジーンズみたいな、あえて感の演出(ジーンズ)個人的にやる人はエコで人体に無害って観点からベンガラに辿り着く感じなのかな?と思いました

やっぱり奥が深くて難しいけど、面白い~~
メーカーの人がみんな工夫して色んな技術を使ってこだわりの染色をしている事が分かる。
日本人すごー

ベンガラで羊毛染め

色々勉強したけど、糊なしのキットは見つけられなかったし、初心者だからとりあえず糊入りのキットでお試ししてみることにした。

お試し3色セットには青色がなかったので虹染は諦めて原毛を染めてみた。

が!

思ってたより全然色がのらない。
もっとパキっとした色を想像していたけど、液と一緒に色もサーッと流れていった・・・

写真だと分かりにくいけど、染色とは全然違う染液の感じ。ペンキの中に原毛を入れているみたい

説明書には「1.2分よく揉み込んで」とあるが、羊毛なのでそんなに揉み込むわけにもいかず、ゆらゆらゆらしながら10分以上は浸染させておいた。

それでも赤と黄色はあかーん!

糊と下処理の役割

顔料というのは染料と違って繊維と化学的に結合するわけではないので、その二つを結びつける為に「糊」が必要になる。AKちゃんとの会話では定着剤(天然ゴムラテックス)と言ってる部分。

バインダーとも言われて、顔料にはこれが入ってることが多い。
顔料が固くなる原因はこの糊のせいだったりもする。

今回使った顔料にもこの糊が入っている。
なんで糊が入っているのに色がのらないのか?

染める前に下処理をするとよく染まると書いてあるが、下処理剤は天然の成分ではないからなるべく避けたいし、そもそも糊でくっつけるのになぜ下処理が必要なのかもよく分からなかった。

早速今度はお店にメール

やまんば

こんにちは
液体タイプのベンガラ3色セットを購入して、羊毛を原毛のまま染めました。

やり方はなるべく説明書にあるとおりにしましたが、縮絨するのが怖く、あまりしっかりは揉み込まず、少し長めの時間漬けおいてから染液を流しました。

結果、赤と黄色はほとんど色が定着せず流れてしまいました。

下処理はしていません。

原毛を染める場合はどうしたらきちんと染まりますか?

また、ベンガラは顔料で、バインダーも入っているのにどうして下処理が必要になるのでしょうか?

教えていただけたらと思います。

ベンガラ店

ご連絡頂きまして、有難うございます。

下処理をすることにより、水には+と-のイオンで構成されています。
染色の基本ですが、どちらかに傾けることにより、水の中で電極を作ることにより、染まることがおきるのです。
お湯を使わない、ベンガラ染め(顔料)は先に下処理で+にして置きベンガラ(土)を-なので、染まります。
この原理をしっかり、頭に入れてください。

下染めをしてから、しっかり脱水すすぎの手順で(説明書参考)染めてください。

最低2回を繰り返します。染めたものを下染め剤で洗うようにしっかり絞り(上記)のやりかたです。

宜しくお願いします。

これを読んで顔料なのに”染色”の基本が出てきて、ベンガラって顔料じゃないの?なんで染色の話が出てくるの??とだいぶ混乱したので、またAKちゃんに聞いてみた。

やまんば

かくかくしかじかなんだけど、顔料と染料がごっちゃになってしまってよく分からないんだけど、これって言葉の使い方に混乱してるだけなのかな?

AKちゃん

そんな感じしますね💡

たぶん、本当に物理的に顔料を押し込むって感じだと思うので、時間をおくんじゃなくて、よく揉んでって説明になるんだと思います。

で、回答にあったように、下処理することによって更に顔料がくっつきやすくなるよってことだと思います💡あくまで繊維の表面に…?

下処理をした場合、時間をおくのも意味がないわけではないと思いますが、どれだけプラスの効果があるかは比較してみないとわからないというのと、逆に顔料がくっつきやすくなる分、動かさないとムラになりやすくなる可能性もあるかもと思います。
色々実験してみてください

こういうやりとりを繰り返し、なんとなく自分の中で仕組が分かってきたように思う。

そしてこうやって書いてて更に分かったのが、自分も言葉遣いが混ざっている!
そもそも
「顔料で生地に色をのせる」=「プリント」だけど
「顔料で糸やワタに色をのせる」=の言葉がない!

だから「顔料で染色する」という分け分からない表現で書くしかない。
言葉がまだないってすごいことだなー

私が知らないだけなのかもしれないけど。

ベンガラの旅はまだ続きます・・・


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