服を自給自足する為の3つの方法

自給自足したい!となると、衣食住というキーワードも一緒に思い浮かべます。
その中で「食」と「住」は結構想像できると思います。
畑をやる、とかDIYで家づくり、とか。

でも、「衣」って、、、、?何すんの?って思う方多いと思います。

周りで料理やDIYをしている人、建築の現場なんかは目にすることがあっても、服を作っている現場を目にすることってないですし、自分で服を作ってる人自体、周りにいないという方の方が多いのではないでしょうか?

昔は「電車内での棒針禁止」という貼紙が出るくらい電車の中でも編物をしている人がいたそうですが、今は皆無ですね。

作るより買う方が安くなってしまったので、周りに手作りをする人の姿を見かけなくなりました。

したいけど、何から手をつけていいか分からない。
想像すらできない、そんな方の為にやまんばが得意の大雑把、簡単、適当(!)方式で大まかなやり方3つ!書いてみたいと思います。参考になれば!

服の自給その一!「スタンダードなやり方」

まず最初はスタンダードなやり方。

一般的にゼロから服の自給をするならこれをやらないといけないという工程を簡単に並べてみました。

もちろん、すべての工程をやる必要はなく、お金で買ってやる工程を省くこともできます。

原料の自給

綿、麻を育てる
蚕、羊を飼う
自生する木や草などを採取する

糸の自給

原料から繊維を取り出し、紡ぐ、または績んで糸にする。

生地の自給

糸を織ったり編んだりして生地にする。
またはフェルト化させて不織布を作る。

生地の後加工

インドのブロックプリント

染め、型染め、刺繍や起毛など、後加工をする場合もある。しなくてもよい。

型紙の自給

型紙を自分で作るか購入する。無料配布のものもある。
型紙なしで服を作る事もできる。

服の自給

ファストファッションの裏側では多くの犠牲的労働が問題になっています

生地を縫製して服にする
または糸を編んで服にする

※染めはここまでの行程のどの段階でも行う事が出来る。
 染めは必須ではない。染めない場合は原料そのままの色の服になる。

染めるなら、染料を身の周りから収集する工程も増える。

どうでしょうか?

なんとなく流れは分かったけど、、、、、、、やめておこう!

となった方、ここからですよ!

服の自給その二!「やまんばのやり方」

さらっと読んで分かると思いますが、服の自給の工程は、普通の人にとって馴染みがなく、教えてくれる人も周りにいない、というものが多いです。

その上、工程一つ一つに高い知識、技術が必要になり、道具もなければ出来ません。

面白そう~!やってみたい!と思う人もいると思いますがなかなか全てを一人で始めるのは難しいと思います。

なのでここからは、もっとお手軽に出来る服、そして繊維製品全般の自給の仕方を考えていきましょう、やっと私の出番です!

今あるものを活用する

新しく何かを作り出さなくても、今世の中にあるものを活用すれば、服の自給の行程をいくつか省く事ができます。

リメイク

家にある服や古着を買ってきて自分好みに替えていく方法です。
襟に刺繍をしてみる、ボタンを替えるだけでもいいのです、思ったよりずっと印象が変わります。
色褪せた服を染め直しをするリメイクもあります。

アップサイクル・ダウンサイクル

パッチワークは伝統的なアップサイクルの一つ

以前私が裂編みでラグを作りましたが、要らなくなった繊維製品を原料にして、全く違う物を作るやり方です。原料の調達を自分で簡単にできます。

要らなくなったタオルを縫って雑巾にしますが、タオルじゃなくても、縫わなくてもいいのです。服を切ってウエスにするだけでも、繊維の自給をしています。

作る、を体験してみる

多少お金を出してもいいから、やり方を習ってみたい。
簡単に自分で新しいものを作ってみたい、という方にお勧めです。

体験する

裂織(さきおり)の教室なんかもよくある

体験型のワークショップに参加してみる。
ストールを染めたり、機織り体験など、繊維製品を作るワークショップは沢山ある。
そこで興味が出てもっと追及していきたいと思った時も、人とつながりが持てるので入りやすい。

キットを購入する

編物キットで検索した画像。コロナで巣ごもり需要が高まり活性化した

手芸店やインターネットなどで、型紙や糸などすべてセットになっているものを購入する。
手軽で様々な種類のものが販売されており、子供用だけでなく大人用で品質の高いキットが今は人気が高い。

自給しないための自給

服がなくなるから、自給しなくてはいけなくなります。
なるべく服を買わなくてもいい状況にすれば、人生で服を自給する(買う)回数も減らせるのです。
服にお金を使いたくないという方にも向いていると思います。

お直し

ダーニングは右にあるキノコを使って可愛く刺繍の様に穴を補修していく。キノコはオタマなどで代用できる。

穴が開いた服などを捨てずに長く着る方法です。
ダーニングといって、刺繍の様に穴を可愛く変えていく技法もあります。

裾上げやウェストダウンなど、簡単な形のお直しをするという事も針と糸さえあればできます。
縫う距離が短いのでミシンがなくてもとっかかり易いです。

お直しはお金を払えばやってくれるお店も身近にあると思います。

長持ちする服を買う

どんな生地が長持ちするのでしょう・・

服を選ぶ時に長持ちするかしないかを考えて選ぶだけ。
トレンドより長く着られるかどうかに重点をおいて、服選びをしていきます。
どうやって選べばいいのか?も追々解説したいと思います。

人から服をもらう

服のセンスが自分と合う人や、体系の近い人、服を沢山持っていそうな人など、とにかく要らなくなった服を欲しいと周りに宣伝しておきます。
すると、服は簡単に集まってきやすいものです。世の中服は完全に飽和していますから、タンスの肥やしがいくらでも出てきます。ハッキリ言って、新しいものを作るよりはるかに楽でお金がかからず、エコです。
自分の持っているものと交換してもいいかもしれません。
センスの合わないものは他の物にリメイクして使えます。

一番ネックは「服ちょうだい」って貧乏くさくてなかなか人に言えないって事です、、、
でも衣の自給スタンダードの行程をやる事を考えれば、頑張って一工夫できそうです。
私が思うに、甘えられるお兄さんやお姉さんが適任です。やまんばの服はほぼ義姉のお下がりをいただいております。。。

逆に、自分も誰かに服をあげてみてください。とても喜ばれると思います。
交換会を開いてもいいかもしれません。
リサイクルショップに売るという手もありますが、そこからどこに流れていくか分からないという危険性も実はあるのです。これもまた追々書いていきます。

丁寧に着る

丁寧に服を着る事で、服の劣化スピードを遅らせる事ができます。

  • 洗濯表示通りに洗濯、アイロンがけをする。
  • Tシャツは襟口からハンガーを入れない
  • 色物は裏返して干す
  • ひどい汚れはその日のうちに染み抜きする。
  • 外出着で野良仕事をしたり、スポーツをしたり、用途に合わない使い方を避ける。
  • 同じ服を毎日着ない(きちんと休ませて手入れをしながら着る)
  • 保管をしっかりする(洗ってしまう、防虫剤の使用、詰込みすぎない)

ぱっと思いついただけでもこんなかんじですが、どうですか?きちんと自分でやっていますか?私は自分で書いていて耳が痛いです。。。
あと一つ、大事な事

丁寧に着れないものは買わない!

「まあ、とりあえず安いからこれ何枚か買っておくか」といって買った服は丁寧に着ません。
値段の問題ではありません。
スタンダードの行程を思い出してください、とても衣類を粗末になんてできないと思いますよ!・・・自戒をこめてでちゅ

服の自給その三!「仲間で作るやり方」

ここまでは一人でやる自給を考えてきましたが、それは本来の姿ではないかもしれません。

昔から、そして現代でも服は分業で作られてきたからです。
行程ひとつひとつが複雑で難しい為、一人が同じ事をやり続ける方が遥かに質が良く、スピードも速く仕上がるからだと思います。

本来の姿に近づければ自給はもっと楽に、楽しくなるのではないかと思います。

自分の出来る部分だけやる

木でボタンを作るっていうのも自給のひとつ、布だけでなく作る為の道具や服飾資材を作るのも大事な自給。

例えば奥さんが糸紡ぎや機織りに興味がある。
自分はDIYが得意。
そんな方なら奥さんの為に道具を手作りしてあげたらどうでしょう。得意な部分だけやる、自分の回りで分業にすると、とても楽しい自給自足の輪になります。
農が得意なら綿を育てる、登山が好きなら山で染料を採ってくるなんていうのも面白いですよね!

自然の色は無限大!

正直1シーズンの衣類を本当にゼロから一人だけで作り上げていくのは、とても大変な事です。
最初は知らない人の手を借りてもいいと思います。でもどこかの工程だけ、みんなでやってみる。

服ってこういう風に出来てるんだ、作るの大こんなに大変なんだ、でも楽しいね!

と、毎シーズン自分たちで楽しみながら少しずつ出来る事を増やして、いずれ分担を決めて分業の流れを作れたら最高だと思います。

繊維の仕事は工程毎に向き不向きが出てきます。手先が器用な人、デザインが得意な人、原料づくりが上手い人、皆が得意を出し合って出来るのが服の自給だと私は思っています。

私が目指しているのもこの世界です!楽しく皆でやりまっしょー!

以上、やまんば流自給自服の考え方でした!

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↓逆にモヤモヤした方はこちらの記事も合わせてお読みください笑


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