大阪のリアル交流会で心に残ったお話しの続き。
今回はJさんのお話し。
Jさんは子育てをヨーロッパで経験されました。
そのお話を聞くと、日本とヨーロッパでは手編みに対する価値観の違いがどうして生まれるのか、そのヒントがあるように思います。
ヨーロッパでは、手編みが暮らしの中にある

Jさんが暮らしていたオランダ・アムステルダムでは、地域に貢献する活動の一環として、子どもたちが編み物や手仕事をする機会があったそうで、それが授業の単位にもなっていたそうです。
Jさんはその活動を助けるボランティア活動に長く参加されていらっしゃいました。
子供達が四角いモチーフを編み、難しい部分は大人たちが助け、それをつなぎ合わせて大きなベッドカバーを作る。
そして作品を販売し、収益を寄付する。そんな活動をされていたそうです。




また、イースターには子どもたちが手作りの作品を作り、自分たちで販売する機会もあったそうです。
大人も子供も関係なく、「自分が作ったものがお金になる」「世の中の役にたつ」という事を肌身で感じて育っているんだなという事がわかります。



日本での手編みの価値

欧米では手編みのもの=ハンドは価値が高いですし、日本でもハンドメイド作品の価値が見直されつつありますが、まだまだ欧米ほどではありません。
手編み=工芸品
ではなく
手編み=「趣味の品」「バザーで売っているもの」「ちょっとダサい服・野暮ったい服」
という印象が残っているようにも感じます。
手編みを仕事にしたい人は多くても実際でそれで食べて行ける人はほんの一握りです。
タグが価値を決めるわけではない

私はこれまで、ニットの下請け業務で世界トップレベルの既製品づくりに携わってきました。
最近は、教室の生徒さんの作品もたくさん見ています。
のけぞるくらいすごい作品を作っているのに、本人(生徒さん)がその価値に気づいていない事が多く、
「ただの趣味だから」
「独学だから」
と、自己評価が低く「すごいのになぁ・・売れるのになぁ・・」といつも思っています。
これは買う側も、おばちゃんの手編み、ブランドじゃないのにそんな値段じゃ買わない、という思考が世の中にあるせいもあるかと思います。
でもモノづくりの裏側を見ていると、あのブランドがこんな安い糸使うの!?と驚いた事がいくらでもあり、みんな知らないところで作られているものの危険さをしょっちゅう垣間見ていました。

それだったら近所のおばちゃんに「これと同じもの編んで」と画像を見せて、いい糸を使って編んでもらう方がいいものになる事だってある。
編み物の名手は減ってはいるものの、日本にだってごろごろいますから。
プロが作ったから価値がある。
趣味だから価値がない。
そんな単純なものではないと思っています。
そこに投影できるか

ハンドがいい、という人はきっと自分でも作った事があるからだと思います。
自分で何かを作ってみると、手がする仕事のレベルの高さが分かると同時に、機械の限界も分かります。
機械はあくまで手の補助です。
機械にしかできない細かい作業ももちろんありますが、人間の手ほど高性能な編み機はないです。
小さい頃から、作る、見る、そして触れて実際に使う、それが本当の価値を知る為には一番大事だと思います。

そして、ハンドを買いたい、と思う人はクオリティだけを求めている訳ではないと思います。
自分も昔友達と一緒に作ったなぁ、お母さんたちがカフェで楽しそうに編んでいたなぁ、、と思い出をそこに投影出来るから、感情が動き、それを大切なものとして自分の家に迎え入れるんだと思います。
小さな頃、自分が作った、みんなと楽しく過ごした、誰かの役に立てた。
そんな楽しい思い出がヨーロッパの子供達にはきっと沢山ある。

日本にはまだまだ投影する手編みの思い出が少ないのかもしれません。
ワークショップや子供マルシェなど、少しずつ手作りの輪が広がっていくといいなと思いますし、何より大人が価値を知り、自信をもって楽しめるといいのではないでしょうか。
機械編み教室のご案内

手編みに機械が叶わない・・と言った後に機械編み教室の案内って・・・
というマズイ構成になってしまいました(汗)
実際ハンドが好きな方は、編み機で作ったものは買わない人や、編み機は絶対に使わないという方もいます。
ただ、やっぱりコストを抑える面では機械は役立ちます!
作る際も細番手のメリヤス地獄を通らなくて済みますし、販売する際にもドン引きされる覚悟を毎回しなくて済みます。
私みたいに手編みが気が遠くなる人が、自分でも服を作れる可能性を見出せたりもします。
編み機も手作りのうち・・と思える方に楽しく使ってもらえたらいいなと思っています。















中学から高校の学生さんになりますが、高校のIBの単位なので、教員がスパニッシュの語学教室の部屋を貸してくださり、毎週やっていました。私たちはアフリカのジンバブエの産婦人科への寄付の為に行っていました。ピックアップの時間に、保護者とは、カフェテリアで編み物をしました。よい思い出です