新しい服を買うのは悪なのか

Podcastの収録のお話を先日書きましたが、こぼれ話の中には入れられない、とっても大事な質問をアナウンサーの壱岐さんからいただきました。

新しい服を買う時に罪悪感を持ってしまう

ずっと自給自足的な観点から服作りや服選びの話をしてきて、最後に壱岐さんが「今までお話を聞いてきてちょっと疑問がわいてきた」と言ってくださり、「かわいい、や自分の好みで服を選ぶのってどうなんでしょう・・?」といった感じの質問を投げかけてくれました(頭の中がフワフワしていたので細かい文言はよく覚えていない)

そして収録を隣で聞いていた、なつこさんもその後で「私も最近自給自足的な事をし始めて、服ってどうしたらいいんだろ~?最近はあまり買わなくなったけど、なんか罪悪感があるんですよね、だからあの質問は私もとても興味がありました」と教えてくれました。

確かに~!こういう話ばっか私がしてるから?新しい服、かわいいだけの服って買うのに罪悪感が出ちゃいますよね・・・すみません・・!

トキメキと楽しいを大事に!

正しい、じゃなくて、楽しい!が世界を変える

その答えとして、私は「かわいい!この服着たい!と思う気持ちは大事にして欲しい。でも買う時にちゃんと大事に着る、この子を大切に着て、送り出す、という気持ちを持ってほしい」と伝えました。

そりゃあ古着を着たり、今あるものを大事に着続けるという選択をしてくれた方が地球には優しいかもしれない。
でも目の前にあるかわいいものが欲しい!という気持ちを押し殺せ!とまでは思いません。
全部バランスです、そういう事もわかるけど、今回は新しいものがどうしても欲しいから買う。でもきちんと綺麗にして次の人に回すよ、次の人も大事にしてね。
くらいに思っていればいいんじゃないかなと思います。

自給自足が好きな人や環境に意識が高い人だけが、罪悪感を感じたり我慢してやる事ではなく、皆がそういう事を知らない、意識が低い、という状態がバランスの悪さにつながっているのだと思います。

弱い国や環境の犠牲の上ですべてが成り立っている。
もちろん服だってそうなんですけど、服は皆が見えないところで作られている部分が多くて意識が低い、というのが現状。
それをなんとかしたいから極端な話ばかりしてるワタシ。。

いやーなんか混乱させてスミマセン汗。
Podcastの話だけを聞くとモヤモヤしたまま終わってしまった方がいるのではと思うのでここに書いておきました。

ファストファッションの裏側ちょっとだけ

先日、生地メーカーで働いていた時の後輩女子が遊びに来てくれました。

その子は某有名ファストファッションの会社に転職し、現在日本の衣料品の最前線で働いています。
いつも私が片田舎でファストファッションなんか!と呟いているのもつゆ知らず、私の質問に答えて色々教えてくれました。

一番の感想は、「え?そんなにしっかりやってるんだ!すごーい」でした。
環境への配慮、人権への配慮がです。
きっとHPに書いてあるんだろうけど読んでなくてすみません、、でも内部の人が言うから信じられる。

そして、中で働いている人の人数の少なさにもちょっと驚きました。その子の見える範囲の内容ですが、その数をその人数で動かしてるってすごいなと思います。
一生懸命じゃないと出来ない、というか日本の衣料を背負ってる気概を勝手に感じました。

だからファストファッションは大丈夫!と安直に思って欲しいわけじゃないですが、これもまた事実と思ったので書いておきました。

なんで服って安いのか??

やっぱりセールのしすぎだから?

ここからは私のぼやき。Podcastでもとんじゃって言えなかった事。

私には疑問があって、それは
なんで服ってこんなに安くなっちゃったんだろう・・
ってことです。

とにかく私たちの様な服飾系の繊維って給料がめちゃ低いんです。
電気工をしている元夫と同じ時間働いても、収入は彼の半分もありません。
「そんなの当たり前だろ、それと比べたら低いに決まってる」って思った方がいるならその理由を教えて欲しい。

女子供でも出来るから?貧しい国でも出来るから?

染め場の夏はインドより暑いんじゃないかと思う

私は繊維の色んな工程を見てきてやってきて思うけど、どの工程でも素晴らしい技術を持った職人さんが汗まみれ、ホコリまみれで働いてる。
たかが糸と思うかもしれないけど、素人じゃ絶対扱えない。

私が働いていた尾州地域。
ここも後継者が不足してどんどん工場や個人の機屋さんが潰れていっています。
それで、今まで出来ていた加工が出来なかったり、技術がなくなっていってしまっています。

前述の後輩も実家が染色屋をやっているのですが、つい数年前に自分の兄が代を変わった時に初めて値上げが出来た、と言っていました。
それまではずっと開業した昭和の値段で染織加工を続けていたという事でとても驚きました。
よく続けてこれたと思いますが、これが繊維の現状です。

染織の釜の蒸気を利用して年末恒例餅つき大会の図

でも、みんなそんな事知りません。
世の中に服が有り余って捨てられて、貧しい国に回されて、燃やす燃料がなくて、環境汚染を垂れ流している、なんて事も知りません。

誰かが隠しているんだろうか?

自分たちで自分の首を絞めているのでしょうか?どこがおかしいのでしょうか?

と、結局またこういう話にすぐ戻る私。。

自分たちで作れる環境を作りたい

私たちが長野で耕してた畑。初めて体で農について考える事が出来た。

始めて長野に移住した時、自分の食べるもくらい、自分や自分の周りでまかなえばいいんじゃないか、そうすればもっと良くなるってひらめいた事があるんですが、それは衣も同じなんじゃないかと思います。

誰かにやってもらうんじゃなくて、自分たちに近いところでやる。
遠いと大事なところが見えなくなっちゃいますからね。
そうすれば衣もきっと上手くまわっていくとなんとなーく思うのです。

だからそういう事が出来る人を私は増やしたい。

今は私の中でそれが一番の解決策と思えるのです。

ここで最後まで言えてちょっとスッキリしました。


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
>>詳しい内容はこちらのページをご覧ください
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲

\今すぐ読んでみたい方はこちら/

「あみとら」への登録はこちらから