先日またメンテナンスの師匠宅へ行ってきたが、その時にブラザーのオートキャリッジ「アンドレ」を見せてもらえた。
アンドレを動画でご紹介
その名前は知っていたが、希少価値の高いもので自分には縁がないと思っていた。
そもそもそんなに「自動」に興味が低い。
会社員時代に全自動の最先端の機械を扱っていて、「自動の機械」=「自分で触れない不自由さ」というイメージがある。
でもアンドレがあるよ、と言われたら機械は好きなので尻尾ふりふり見せてもらった。
動画を撮ったので見てみてください。
アンドレで何が出来るの?
オートキャリッジっていうので、電子編み機と連動して、スイッチ入れたら最初から最後まで編んでくれるのかと思ったら、ちょっと違った。
アンドレの最大の特徴は「タッピ返しをやってくれるキャリッジ」というところにあると思う。
リブ機がなくてもリブが編める!
タッピ返しだけじゃなく、巻目の編み出し、伏せ目もやってくれて、要するに、「機械編みなのにここだけ手動で面倒臭いわー」と思っている部分を一手に引き受けてくれる、「かゆいところに手がとどく子」だった。
それ以外の面で言うと、それなりに自動にやってくれる部分もあるけれど、スイッチ入れてほっとけば全部最後まで編んでくれるというものではなく、ところどころ手動操作が入ってくる。
まさにここも全自動と手動の中間みたいなキャリッジだった。
バリバリの全自動じゃないところが、拍子抜けして可愛く思えた。
アンドレは小さな工場
でも、やっている事はすごい精密な事をしていて、編み機側もアンドレ側も少しの狂いがあってもうまく編めないし、針同士がぶつかったら大変な事になる。
全自動の機械は透明の蓋をしてからじゃないと動かない様にしてあって、絶対動いている時にさわれなかった。
アンドレは目の前丸出しでその動きが見える!
危ない!けど楽しい!と、私は大興奮でした。
そして一番最初に思ったのは、尾州の機屋にいるみたいなガシャンガシャンという一定の音が懐かしく、まるで工場みたいだということ。
実際、この機械で工業的な生産も出来そう。
メンテナンスの師匠も、
「編みやすい糸じゃないと怖くて編めないし、音はでかいし、好きな人は好きだし、嫌いな人は嫌い。分かれるね、この機械は。だからそんなに台数出なかったよ」
とおっしゃっていました。
確かに、これは家庭的な音じゃないし、ちょっと敬遠する気持ちも分かります。
でも私は結構好き、というかまず音が心地良い。
布を作っている音がする、機械が調子良く動いている音がする、なんかわくわくする音に聞こえる。
あー、面白い、面白すぎる。
こういうなんか面白い機械がごろごろあって自分でそれを操作できるのが家庭機の魅力だなぁ、と再確認した1日でした。
メンテナンスの師匠のこと
アンドレとは関係ないけど、メンテナンスの師匠は私の勤めている高校に編み機の修理をしにきてくれ、眠っていた機械を蘇らせるだけでなく、山積していたよく分からないホコリだらけの付属品やらなんやらを仕分けまでしてくれた。今まで使われない編み機やら無駄なスペースやらがスッキリ片付いて部屋全体が蘇った様だった。
そしてさらに去り際に「これくらいまぁボランティアでいいや」と修理代まで無料にしてくれた!
この日も私にブラザーの「あみもの技法集」という昔ブラザーの編み物教室で使っていた教科書をくれた。とても分かりやすい本で今の私に必要なアイテム。超お宝です。
「市川さんみたいな若い人が編み機をやってくれたら嬉しいからね、応援してるよ」といつも言ってくれる。
有り難く受け取って、何倍にも、何十倍、何百倍にもするぞー!と思う今日この頃です。
がんばります!
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