元夫が釣りに行ってキジハタという魚を沢山釣ってきてくれた。
これくらいの大きさなら買えば5,000円くらいする高級魚だぞと自慢げに話していた。
元夫は自分で釣ってきた魚は自分の出刃包丁でさばいてくれる。
その日の晩は、刺身、カマ焼き、皮のネギポンを作って食べさせてくれた。彼は几帳面なのでお皿に盛った姿からして美しく美味しそう。料亭に迷い込んだ野良猫のごとく、私と娘はそれらに勢いよくむしゃぶりついていた。それ以外のおかずはトマトとご飯のみ。
残りは開いて一夜干しにしたり、冷凍したり料理しやすいようにすべて綺麗に始末しておいてくれるのでありがたい。
釣ってきた本人は過敏で臭いが気持ち悪くて一日目の魚は食べれないので、ソーセージを焼いて食べている。
私「もごもご(悪いね~)」という感じ。
しかも元夫はカヤックで一人沖に出て釣りをする。ガイドをしていた事もあるくらいの腕前だが、大きな船に乗っている漁師さんからはとても心もとなげに見えるらしく、よく声をかけられたり、魚を分けてもらったりするらしい。でっかいタコもらったこともあるという。買うと高いのに!
私や仲間と沢登り(登山道ではなく、山の中を流れる川を遡行して登るタイプの登山)をしていた時は、途中でイワナなどを釣りながら、拾った薪で火をおこして。夜は薪の残り火の横でタープの下に転がって寝る、そんな自由度の高いスタイルを彼は好んだ。
山に登る前、フェンスにこびりついている蔓の葉がクルリと丸まっているのを見たら、その中に虫がいてイワナのエサになるらしく、そのままポケットに入れてエサとする事もあるらしい。ケータリングにぴったりのエサである。
元夫曰く、そういう風にエサからすべて自分一人の手で食料を得て、一人で火をおこし、登山を完結出来た時はすごく快感というか達成感があるから好きらしい。
その話を私はすごく良く覚えていて、すごいなぁと思っていたし、自分は何も出来ないが何故かその気持ちに共感できた。
それは山の中だけで完結するチャレンジで、本当の自分の実力が短期間で求められるからよりスリリングで面白いが、今考えると釣りの自給自足というのもエサや道具を少し自分で工夫してみるだけでもっと面白くなるんだろうなぁと思った。
釣り以外でもなんでもそうかもしれないけど、買うより前に作る、までいかなくても、他に代用できるもの、を探して代用してみるだけでも面白くなるかもしれない。
でも、私は知っている。
トータルすると、キジハタも買った方が安いくらい今までガソリン代と高速代かかってるという真実を!どーーん!
まあ、趣味だから楽しければいいんでしょうけどね。
あー海が近いっていうのもいいなぁ~