私が以前、卵の孵化に挑戦し始めた時に、雄が沢山産まれたら喧嘩して同じ鶏小屋で飼えなくなるかもしれないから、その時は私が責任持ってしめるわ、的な話を元夫もいる所でしていた。
彼はそれを何故か勘違いして、鳴き声が近所迷惑になるから、いずれ今飼っている一羽のオス(ティントン)を私が殺そうとしていると思っていたらしい。
最近ティントンが、「コーケコーッ」と朝鳴くようになってきた。
まだ小さな声で、上手くもないが、太陽に向かって精一杯首を伸ばして頑張っている姿はほほえましいもんだと笑っていたら、ある日クライミングジムから帰ってきた元夫が、「いい情報を得てきたから、もうティントンは大丈夫やぞ!」という。
心優しき元夫は、ティントンをなんとか生かしてやりたいと情報を探していたらしい。ちょうどジムでジビエをしている女性店員がいたらしく、その方に根掘り葉掘り聞いてきた。
鶏を鳴かせない方法
1.暗い部屋に入れておく
鶏は暗い部屋にいると寝てしまう。チキントラクターの作り方にも、「夏の日差しを避けようと中を暗くすると、鶏が寝てしまいます。」というような事も書いてある。
だから、暗幕などで小屋を覆っておいて、鳴いてもいい時間になってから幕を取るという方法が1つ目。
これは知ってたけれど、外の大きな小屋の場合、完全に暗くするのは大変だし、何より夏場は風が通らないから暑くて可愛そうだと思っていた。
2.低い小屋に入れる
鶏は鳴くときに首を伸ばして鳴く。だから首を伸ばせない高さの部屋だとコケコッコーが言えないらしい。
猫、犬とは全然鳴き方の仕組みが違うからそういう事が出来るらしい。
我が家は周囲に家が少ないし、年齢層も高いので文句を言われる可能性は低いと思うが、それでも3時や4時代に鳴かれるようになると、気にしないではいられない。
よし、それでやってみようか!と元夫に言うと、「もう今作ってきた」と言う
え!小屋を覗くとすでに新しい寝室が作られていた!
私が今か今かと、毎夜出刃包丁を研いでいるとでも思ったのだろうか?
やまんばじゃあるまいし、、
小屋作りと、検証結果
床は木の板も部分的に敷いてあるが、なんか居心地が悪そうだと訴えると、「仮だから、まあ、ずっと仮だけど」と言われた。
成長するに連れて試行錯誤を繰り返していこ。とりあえず今はここがねぐらになり、朝6時のお寺の鐘と同時に出してやる。
完全に密閉されていなくて、光が漏れているので、私が近づくともう起きてソワソワしてるのが分かる。それでもコーケコーッとは鳴いていない。
ねぐらから出すと皆一斉に飛び出してくるが、オスはいの一番に鳴く訳ではない。ご飯を食べるなどして鶏心地ついてから鳴くし、それからも時折コーケコーッと数回繰り返して鳴く。
オスは縄張りを主張して鳴く習性があるらしいが、そういう危険を常に感じる瞬間があるのだろうか?
それとも求愛?兄妹に?鶏は関係ないのかな?
さらにその後の結果はこちら
生後3か月のチャボの紹介
黄色組3匹は2/7生まれ。黒は2/14生まれなので今日でちょうど皆生後3か月になった。
そんな彼らの紹介。名前は全部娘がつけた。
ティントン(オス)
群のリーダー。ご飯を食べる時でも一番周りを警戒している。大きな虫とかをあげるとビビッて躊躇する気の弱さがある。だから警戒心も強いかと思ったが、きちんと群を守る役割を果たしているという事に気づいた事件があった。
この間畑の方に放していた時、ティントンが背を伸ばして虫を追っているようにせわしなくダンスし始めた。私は死角で見えていなかったのだが、隣の猫が近づいて見ていたのだ。慌てて猫を追い払ったが、彼は猫を一生懸命威嚇していたのだ。
他にも一匹だけメスを連れ去ると、ものすごい心配して必ず探しに来るし、私たちに対して怒りの表現もするようになった。今まではそんなことなかったのに、メスを守る強いオスになってきた。
その代わり他のメスを抑えて一番にエサを食べる。メスがティントンにゆずっているように見える。
序列を乱した時なのか分からないが、メスたちの首の毛を引っ張ってイジメる事も多い。
キータン(メス)
2番目に身体の大きなメス。その次に大きなメスをよくいじめている。一番人嫌いで抱っこが超嫌い。でもエサをくれるとなると一番に飛び乗ってくる。飛ぶのが得意。ティントンと仲良しでいつも呼応している。虫採りは控え目。
タントン(メス)
一番勇敢な正確。どんな虫でも一番に食らいつく。太さ1.5センチくらいのミミズや幼虫は平気で食べる。男勝りな性格でよくティントンに抑えつけられている。その変わり一番小さなクロをよく踏んでいじめる。気が強いけど、一番寂しがり屋で、暗くなるときに抱っこしてほしがる。
クータン(メス?)
通称クロ。一番身体が小さく頭も悪い。びっこをひいていて、体力もない。そしていつも皆に踏まれて鳴いている。
しかし、そんな皆をお母さんだと思っていていつも羽の下に入りたがる、か弱い存在。
虫を食べる意欲も少なく、あたしゃエサ箱のエサで充分とばかりに、外で皆が虫をついばむ傍らで、草陰に座り込んでおばあちゃんみたいにウトウトしている。生命力が弱く、いつまで生きられるかと心配し続けている。
その変わり娘の寵愛を受け、たまに家の中に招き入れられるなどの待遇も受けている。
肉問題に発展する
そんな個性豊かな彼らはもうすっかり家の家族。
娘はとにかく鶏の世話をよく焼いて自分から小屋の掃除もするようになった。
元夫も「猫や犬よりかわいいよ、こんなにも鶏がかわいいと思わなかった、歳のせいかな~」と溺愛。
ティントンを殺すつもりはないし、オスは縄張り争いをするからね、とそんな元夫と引き続きオスの話。
「そういえばオスのヒヨコは屋台で売られるっていう話をそのジムの人に話したら、「そうそう、オスは屋台で売られるか、粉砕されるらしいよ」って言ってたんだよね。家畜のエサとかになるらしい、、、」
二人とも絶句。
粉砕?
ひよこを?
その後元夫は静かに言った
「なんか、人間て間違ってるよね。。まあ、それを俺等も助長してるんだけど。。」
すかさず私は返した
「だからさ、私はもう肉なんて全然買わなくていいから!」
キターっ!この時この瞬間を待っていましたよ!
元夫はニヤッと笑っただけだったが。
娘の為に、と思って飼い始めた鶏だったが、子供も大人も関係なかった。
彼らから大切なものを学ばせてもらっているとつくづく思った。
そして我が家の食卓に肉の並ぶ日は確実に減っている。