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ウォルドルフ人形の作り方とその役割

去年のクリスマスプレゼントにウォルドルフ人形を娘にあげることにしました。

厳冬期にまだ下着しか来ていない赤ちゃん人形とぽあぽあマリヤちゃん

ウォルドルフ人形とは

娘のシュタイナー系幼稚園でも先生たちの手によって作られ、子供たちに愛されているウォルドルフ人形はシュタイナーの教育思想を背景に生まれた人形です。

自然素材を使って作られた、とてもシンプルなお顔のお人形です。

ウォルドルフ人形の作り方

ウォルドルフ人形はキットが販売されており、通信販売やシュタイナー系のグッズを扱うお店でも買う事が出来ます。
(完成品も売っています)

大きさやタイプも沢山あり、作り方の本も一緒に販売されている事が多いです。

が!

よほど人形作り、羊毛の取り扱いに慣れていないと、本を読んで綺麗に作るのは難しいのではないかと思います。

ぽあぽあマリヤちゃん。C体よりずっと小さく、簡単にできる。未就園児くらいの子にいいサイズ

私は娘が1歳の時に「ぽあぽあマリヤちゃん」という小さめのお人形を試しに動画を見ながらひとりで作ってみました。

動画がめちゃくちゃ分かりやすかったので、なんとか出来ましたが、難しい、というより大変だった、もうあんましやりたくない、、、

羊毛の抑え込み、人形の運針が慣れず、手が痛くなったりしました。

動画以外にも、販売店さんでお教室もセットになっているところもあります。
あんまりそういうの自信ないわ~という方は迷わず教室にいかれることをおすすめします。

2個目、3個目に作る時に動画を見て思い出しながらやるのがいいかもしれません。

先生によってはやり方が少しずつ異なるようなのでそこも踏まえて上手に選ぶといいと思います。

ウォルドルフ人形のお教室

BEANSさん店内の様子。お人形が沢山あります

そんな私も大きくなった3歳の娘に合うサイズのお人形を、自分の手で作りたいという気持ちは諦めきれず、そしてもっと手仕事を学びたいという気持ちから、近くのお教室に行ってみることにしました。

岐阜の各務ヶ原市にあるBEANSさんです。

この界隈でシュタイナー系の幼稚園に通わせているお母さんたちは、こちらのお店で作られる方が多いようです。
元々保育士さんだった先生は、自分の子供たちをシュタイナー幼稚園に通わせた時に、「どうして子供たちがこんなに穏やかなの?!」と驚いて、それからシュタイナーにハマっていった、そうお話してくれました。

講座の様子

こちらもBEANSさん、こういうのが作りたいと思って沢山撮らせてもらいました。

店内はシュタイナーのグッズや、子供たちの遊び場となるスペースにお人形や自然素材のおもちゃが沢山あり、すこし薄暗くてとても落ち着いた雰囲気です。
今回は先生ともう一人生徒さんがいて3人で楽しく作りました。

そしてやっぱりきちんと教えてもらって良かった!この一言に尽きます。

どうしてこういう作り方をするのか、ひとつひとつ意味を教えてもらったり、先生や周囲の子供たちがどのようにしてお人形と関わってきたのか、そういう大切なお話を聞く事ができました。
さらに、先生の人形を作る時の様子を見れたのが私は一番印象に残りました。

最初はただの羊毛と布。
頭から作るのですが、先生の言う通りに形を整え、最後に先生がバランスを見てくれます。そうすると、一瞬で赤ちゃんの頭になるのです。
胴体、手・足が出来る頃にはもうすっかり赤ちゃんです。
先生の手が魔法の様に見えます。

先生は頭が出来るころから早くも「かわいい~、かわいい~」と私たちの人形を抱きしめてくれ、手足が付くころには、袋に入れるのがかわいそうとためらう程、作っている私たちよりキュンキュンしていました。

「先生・・今まで何体お人形作ったんですか?」
「んーーー分からないけど3桁は絶対いってるよね」

それでも毎回こんなに愛おしいと思える。
それに私は感動しました。

こんなにお人形が好きな方に教えてもらえた事が、私にとって宝物の経験になりました。

作成の難易度

私が今回作ったのは身長約40cmの「C体」と呼ばれる人形と同じ大きさの「赤ちゃん人形」で、一緒に作ったママさんはC体です。

全部で4回、2時間ずつ行って、最後の髪の毛をつけるところだけ自分の家でやったので全部で10時間はかかったと思います。
C体を一緒に作ったママさんも大体同じくらいの進み具合だったのでそれくらかと思います。

自分一人だったら長く苦しく感じたかもしれませんが、色々お話しながら楽しく出来たのが本当に良かったです、一人だったらもっと時間かかった上にお手上げだったかも。

子供たちはとても敏感でちょっとでも左右対称がずれていると、違和感を感じてしまうそうで、お人形の目のバランスをとるところとか、頭の形を綺麗に整えるとか、自分の想像するレベルよりはるか上だったので、その辺を頭では分かっていてもきっちり綺麗に出来るとは思えなかったです。

そういう繊細で気を付けるポイントが沢山ありました。

面白かったのは、目と口をつけた時。
全く同じように作っているのに、顔が出来たら、私とママさんのお人形は全く違う顔になりました。なんとなくそれぞれの子供の顔に雰囲気が似ているのも不思議だなぁ・・と思い、より愛着がわきました。

そんなお人形のお教室はとても楽しかったのですが、やっぱり大変だったという印象がぬぐい切れないので最後に先生に聞きました。

「先生、こんなに手が痛いし大変な作業、何回もやってて嫌にならないですか?」
「あー、そうね!でもコツが分かるとそいういうのもなくなるのよ、大丈夫」

それを聞いて、また作ってみたいと思って終われました。
これも大きな成果です。

なぜシンプルな顔なのか

糸2本くらいで小さく目と口をつけます。おへそも同じ感じで印をつけています。

ウォルドルフ人形がシンプルなお顔なのには訳があります。

これも先生が教えてくれました、とても大事な事なのです。

子供はお人形をごっこ遊びの相手にしたり、時には自分を投影します。
その時にお人形の顔がシンプルな程、色々な感情を想像しやすいのだそうです。

ママがいなくて寂しい!というシーンの時に、ニコニコ顔のお人形だと感情移入しにくい。
喧嘩して怒ってる!のにニコニコ、お腹減った~!のにニコニコ、ねんねしましょうね~、ニコニコ。

それよりも、なんなら目も口もない方が子供は自由に想像できるのです。

BEANSさんにある顔のないお人形。幼稚園のお人形もこういったものが多い。

じゃあ、それがどうしていいか?

「人形を使って想像力をそだてると、大きくなった時に相手の気持ちを想像できる子になる」

それが→「コミュニケーション能力を高める」

のだそうです。
ものすごく納得!そうなのか~!

お人形の果たす役割について初めてきちんと知りました。

3歳半の娘に渡した時のこと

さあ!いよいよ完成しました。
まだお洋服もなくすっぽんぽんですが、もう完成の嬉しさのあまり、出来た当日にクリスマスプレゼントとして渡してしまうことにしました。

ちょうど幼稚園のクリスマス会で、キリストの誕生劇をした日だったので、キリストと同じ様に白い布でぐるぐる巻いて、産まれたての赤ちゃんとして渡す事にしました。

お世話をしたい女の子

娘は赤ちゃんのお世話がしてくてたまらない子で、私がいつも赤ちゃん役をしてオムツを替えられる役です。
何回うん〇出さなあかんねん、というくらい長時間に渡り「ママー、出たー、オムツ替えて~」というセリフを何度も言わされます。
そうすると、わざわざ隣の部屋に行って忙しそうにしていた体で娘が「はいはい、ちょっと待ってねー」といそいそ出てきます。
それが、、とっても可愛らしいんだけど、忙しいワタクシにとっては大変重労働でございます・・・ばぶばぶ

最初に与えたぽあぽあマリヤちゃんはお洋服が脱げないタイプなのであまりしっくりこないらしく、私が代役を担っていました。

と言う訳でC体ではなく、オムツ替えがしやすい赤ちゃん人形にしたのですが、果たしてこの役を彼女は担ってくれるのでしょうか・・!?

人形を拒否

期待を胸に幼稚園から帰ってきた娘に早速「うちにもねぇ赤ちゃんがきたのよ、みて」と言って白い布から顔を出して見せると、、

娘、硬直。

見なかった事にしよう、的な反応。

え?え?赤ちゃんのお人形だよ?と私が抱っこしようとすると、猫のシャーッ!みたいな勢いで阻止しようとしてくる。

あんまり反応が激しいのでしばらく触らずに置いておいたが、かわいがるどころか、邪魔者扱いして蹴りを入れる始末。

私と先生があんなに愛でて愛でてアナタの為に作ったお人形に蹴り!?

と驚き私も動揺しました、そこまでしなくても・・・アワアワ。

子どもにとっては人形ではない

仲良くベッドに入れられている二人。私も赤ちゃん役はやらされなくなりました。

娘はすごく慎重て警戒心が強いタイプなので、赤ちゃんのお世話はしたいけど、実際本物の赤ちゃんがハイハイして近づいてくると怖がって逃げていく子です。

あと、ひとりっ子でお母さんをとられるという事に慣れてなく、とられるのをすごく嫌がります。

要するに、人形じゃなくて本物の赤ちゃんがいるんだと思って警戒しているんだなと思い、私もあまり人形に構わずに、でもいつも近くに置いておきました。

そうすると、少しずつお人形に手を出すようになり、私も急いでオムツ替えセットを縫って渡すと喜んでオムツを一緒に替えようと誘われ(一人でやらんのかーい!)慣れてきました。

大人にとってはただの人形。
でも子供にとっては、違うんだ。

それを想像と真逆の形で娘が私に示してくれた、というエピソードでした。

「お名前も考えてあげてね」と言うと嫌がりましたが、「ゆなちゃん」という別の人形と同じ名前を最終的にはつけてくれ、気が向いた時に遊んでいます。

肌身離さずお人形を抱っこしている子とかを見ると羨ましいな~と思いますが、お人形を与えたかったのは私だし、私自信は作ってあげれたことに満足したので、もう二重丸!としています。
年齢と共にかかわり方も変わるでしょうし(薄々はもっと遊んでくれるのを期待している、、)。

そして私はまたC体を作りたいぞー!誰が使うねん!というツッコミはおいといて…

【関連サイト】

BEANS 私が行ったお教室
スウェーデンひつじの詩舎 ウォルドルフ人形公式サイト
つれづれリメイク日和 ウォルドルフ人形の作り方① 私が参考にした動画

私はお人形、という世界をこのウォルドルフ人形を通して初めて経験しました。
心を込めて作られたお人形、そしてそれで遊ぶ子供たち、その記憶。
同じ生地を使った作品でも、お人形という形になると、そこに何かが産まれるんだな。
素直にそう思えました。
どうやってこの人形と娘の世界を広げていこう、そんなことに私も一緒にわくわくしています。メルマガではそんな生地や布にまつわる色んな話をしています。
是非読んでみてくださいね。

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